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宿坊で狙いたいのは中国・韓国ではなく、欧米豪からの旅行者です

01.宿坊
 

訪日旅行者1000万人突破、次は2000万人を超えるぞなんて景気の良い話が飛び交い、「インバウンド(海外から日本に来る旅行者)」はすでにビジネス界のビッグキーワードになっています。

私はこのインバウンドを活用することで、現在疲弊している地方の寺社が生き残る道を探していて、そのための手段として「宿坊」が有効と考えています。

なのでお寺や神社が宿坊化した時、どの国から来る人が興味を持ってくれるか、逆に言えばどの国に重点的にPRすれば効果的か、これにとても興味を持っています。そんなわけで統計データをひっかきまわしてみました。

訪日旅行者の目的

上記は観光庁の平成27年7月~9月期調査を抜粋して、私がグラフ化したものです。内容は海外からの旅行者が、日本で何を行ったか。宿坊に興味を持ってくれそうな「日本の歴史・伝統文化体験」と「美術館・博物館」の2項目を拾い上げてみましたが、これを見るとはっきりと地域によって興味対象が分かれています。

2014年に日本に最も多く来た国・地域は、台湾・韓国・中国です。韓国よりも台湾の方が人数多かったのは個人的びっくりポイントですが、それはおいといてこのトップ3だけで全体の半数以上を占めています。

しかしグラフを見ると分かる通り、これらの地域の方が宿坊のファンになる確率は、それほど高くなさそうです。グラフ化はしていませんがアンケートの結果を見ると、台湾はテーマパークと四季の体験、韓国は日本酒の人気が高めでした。中国は割と広く興味を持っている印象がありましたが、歴史的経緯もありますし、日本の歴史や文化には拒否反応があるようです。

一方、宿坊に強い興味を持ってくれそうなのは、北米、ヨーロッパ、オーストラリアです。その後にアジア諸地域が続いています。これを見て、どう思われますでしょうか? 宿坊をPRしても、興味を持ってくれそうな国からの旅行者は絶対数が少なそう。現状で見ると、そうなります。

ですが、これってものすごくワクワクする結果です。なんといっても旅行者が少ないということは、現在の日本の観光立国化に足りない点ということです。つまり日本の観光のウィークポイントに切り込めるのが宿坊なのです。

日本の観光にとって足りない点。それはまさに北米、ヨーロッパ、オーストラリアから人が来ないことです。これらの地域は遠いから、日本になかなか来れないんだというのは簡単です。もちろん、フェリーで入国できちゃう韓国と同じ人数が、日本に来ることはないでしょう。

しかし、実はこうした国は旅行大国でもあります。そして日本のサラリーマンと異なり、長期のバカンスを取って海外へと出かける方も多くいます。現にタイは日本よりはるかに多くの旅行者が訪れる観光大国になっていますが、同じように飛行機でお金と時間をかけて訪れる人の心をつかむことに成功しています。

そのため、宿坊が日本の強烈なブランドになっていったら。世界中でどこにもない、日本の寺社に泊まる旅。人を呼べるものが何もないと嘆く地域にだって、お寺や神社は必ずあります。そこに濃厚な体験を用意していけば、必ず世界中から人が足を運びます。秩父の山奥にある大陽寺なんて、半径5km人が住んでいないのに、ヨーロッパから来た人のブログで海外人気にも火がつきました。そんな場所が日本に100箇所生まれていったら、地方を活性させ、放っておけば朽ちていくだけかもしれない寺社を次代につなげる手段にもなるのです。

なので私は宿坊を作っていくには、北米、ヨーロッパ、オーストラリアへのPRが欠かせないと考えています。もちろんその他の地域だって大切ですが、宿坊が日本の観光の中で一定のポジションを取るためには、これまで来てもらえなかった人に来てもらうというストーリーは絶対必要です。

日本という国にとって、のどから手が出るほど欲しいコンテンツを、宿坊は有しているのです。

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文殊仙寺

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