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堀内が中外日報社に勤めてたら、社長に100回提案すること

中外日報社

私が寺社旅活動する中でよくお会いする企業のひとつに、中外日報社があります。こちらは宗教界の新聞を発行されている会社で、お坊さんや神主さんなど宗教に関わる関係者に広く読まれています。

記者の方は宗派ごとに担当が分かれていて、あちこちの宗派に顔を出す私はいろんな方と名刺交換しています。講演にお越し頂いたり、寺社のイベントで声をかけられたり、街中でばったり会ったり。

他にもいくつかのコラムやお坊さんからの相談コーナー回答者など、何度か記事を書かせて頂きました。京都オフィスにも行ったし。会社の飲み会とかお呼ばれしたら、もはや平気で混じれるレベルかもしれません。

そして個人的にお付き合いのある方も複数名いて、人生相談や事業相談を受けたことも何度かあります。

そんなわけで、今回は中外日報社の方と話していた時に出たアイディアをまとめてみました。タイトルに中外日報社と付けてますが、似たようなポジションの会社であれば使えると思いますよ。

堀内が中外日報社の方にお話したアイディアまとめ

まずは大きな枠として。私がお寺での講演によく使う図のひとつにこんなものがあります。

マラソンの競技人口

上記はマラソンの競技人口構成図。頂点はオリンピックに出場したり、実業団に入るようなトップアスリートたち。こうした人たちは一部ですが、その競技に人生をかけています。

そしてそこからすそ野に向かうにつれ、密度は薄くなりますが競技人口は増えていきます。

宗教新聞業界で言えば、中外日報社は間違いなくこの一番上をターゲットにした企業でしょう。一方、すそ野部分は読売、朝日、毎日新聞など、一般の人に向けた新聞です。

しかしこのトップとすそ野の中間を狙った宗教情報メディアは手薄です。経済ニュースに置き換えれば、日経新聞社が発行している各種ビジネス雑誌をイメージすると、近いでしょうか。『月刊住職』はこの部分を狙った感じはありますがそれでも濃い目ですし、まだまだ層の薄い領域です。

宗教情報で、中間層を狙ったメディアとは何か?

宗教情報で、中間層を狙ったメディア。これは私の思いつく限りでは3つあります。列挙すると

寺社の行事、イベント情報(超詳細版)

寺社のイベント情報。京都は観光情報が充実していて、日本では異例なほどに手厚いですが、それ以外は東京でさえ手薄です。

ここで言うイベント情報とは、○月○日にお寺で『△△法要』が行われます、というレベルではありません。その法要が何時から行われ、一般の人は参列できるのか(参列できないものは載せても仕方ないですが)、参列できるとしたらその方法、お金はいくらかかるのか、何時に終わる予定なのか、法要のタイムスケジュールなど詳細に書き込みます。

こういうの、Yahooやじゃらんのイベントガイドでも、ものすごく大ざっぱなんですよね。しかも○○戦隊ヒーローショーとか、××公園グルメ祭りとかと一緒くたで、寺社情報を探す人にはかゆいところに手が届かない仕様です。一方、鉄道会社のフリー冊子はもうちょっと詳しいこともありますが、掲載イベント数が限られています。

さらに寺社の公式サイトも、ほぼ未整備です。東京では最もオープンな増上寺でさえ、すごい法要がしょっちゅうあるのに、公式サイトには日付と行事名しか情報なかったりします。

そこで日夜、寺社と接する強みを生かしてマニアックなイベント情報を列挙できれば、これだけで中間市場はごっそり開拓できます。

私自身、最初に宿坊研究会で宿坊情報をまとめた時は、それぞれここを見ただけで宿泊できる(そしてしたくなる)ように、できるだけ細かな記載を心がけていました。そしてそれによって、宿坊に興味を持つ方は増えています。

寺社のイベント情報も、詳細版を作れば変わります。まずは東京で、上手くいったら地方ごとに。まだ知られていない法要や行事の詳細を伝えられれば、寺社に人が向かう動機も作れますし新たな事業も生み出せるでしょう。

新聞社ってどうしても「○○が行われました」という記事に偏りがちですが、「××が行われます」にはそれと同じかそれ以上のイノベーションを起こす可能性がありますよ。

寺社とビジネスのマッチング情報

お寺や神社と手を結びたい企業や官公庁はたくさんあります。これは寺社界が考えている以上に強烈な期待の目が向けられています。一部上場している大企業でさえ、寺社と手を組む(どころか、アプローチする)ノウハウなんてほとんど持ってません。

しかし宗教界に深く根を張りながら、株式会社として存在する中外日報社はこの両者を結びつける素材をたくさん持っています。というか、中外日報社の方。自分たちがどんなすごいものを持っているか、気付いてなさすぎです。

寺社と企業や官公庁のニーズを調査してレポートし続ければ、その情報をのどから手が出るほど欲しい人はたくさん出てきます。そこから派生すれば外部と寺社を結びつける、コンサルティングだって可能です。

この市場は私がアドバイザーを務める全国寺社観光協会が宿坊をテーマに動き回っていますが、まだまだプレイヤーはほとんどいません。私みたいなフリーの人間ですら、自民党の観光立国調査会で議員さんたちに講演させて頂くくらいですし。進め方によっては、会社にイノベーションすら起こす事業となるでしょう。

ここに興味ある方は、『産宗官』の重要性。これからの寺社が押さえるべきキーワードもご参照ください。

専門的な寺社ニュースの多言語化

インバウンド市場の盛り上がりや様々な技術革新を見ても、今後海外とは距離が近くなっても遠くなることはありません。この時、日本の寺社に関する専門ニュースを多言語で発信できていれば、思いもよらないビジネスを連鎖的に引き寄せます。

良い例は、MATCHAです。こちらは寺社に特化しているわけではありませんが、日本の観光情報を9言語で紹介する観光メディアです。

まだオープンして2年ちょっとですが、取引先企業を見ると

株式会社Google、NHK World、成田国際空港株式会社、株式会社東急ハンズ、国立大学法人岡山大学、佐賀県庁、神奈川県庁、埼玉県庁、青森県庁、大分県庁、神戸市、福井市、愛知県観光協会、和倉温泉協会、株式会社JTB、株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント、株式会社パルコ、株式会社NTTドコモ、株式会社coromo、株式会社カガミクリスタル、株式会社wi2、TOKYO FILM

と、そうそうたる実績です。

MATCHAは三角形の図で言えばすそ野寄りですが、中外日報社であればその一段上の中間層にアプローチして、海外と日本の寺社をダイレクトにつなぐ事業も視野に入ります。

ということで

上記は中外日報社がもし行うとしたら(すでにやっているものもある?)、かなりの挑戦分野です。これまでの宗教業界紙としてのポジションを鑑みれば、手を出すことでさらされるリスクもあるでしょう。

ですが私はリスク以上に、本業にだってプラスの波及を生むと予想します。なんせ取材するだけではなく、自分たちが話題の中心になるわけですから。一次情報が自分であれば、どんなメディアだってかないません。

相談を受けてそんな話をしていたら、「いや~、そんなこと会社の中じゃ許してくれないよ」という言葉が返ってきたので、「じゃあ、手を変え品を変え、100回くらい提案し続ければいいじゃん」と上から目線で話しておきました。

ダメと思うのは誰でもできる。ダメなことをどうやったらダメじゃなくするかが、情熱の使いどころなんですよ。

私なんて10年以上、あちこちの企業に宿坊を作るプロジェクトを提案し続けていたら、『宿坊創生プロジェクト』のアドバイザーなんて話が飛び込んできましたよ。

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