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明るい縁切りを目指す、本光寺の縁切りダーツをプロデュースしたよ

先日、千葉県市川市にある本光寺の境内に、縁切りダーツが誕生しました。こちらは名前の通り、ダーツの的に当たったものと、縁が切れるというものです。

早速、ほーりーも試してみましたよ。こんな感じです。

本光寺の縁切りダーツ

こちらは矢が当たった場所に応じて、様々な縁が切れるというものです。ほーりーは「失業」に当たりました。

これで今の仕事が一生安泰といくならそれはそれでありがたいですが、サバイバル生活を送るほーりーにそれは無理な話でしょう。むしろいろんな仕事がなくなるトラブルにも備えることで、失業から始まる様々な悪いことと縁が切れるぞという仏様からのメッセージと理解しました。

個別の契約や収入源が生まれては消える、失業自体がとても身近な人間の発想ですけどね。

本光寺に縁切りダーツができた背景

それはそれとして、この縁切りダーツ。実は今年のお正月に尾藤住職からお寺に新しい要素を付け加えられないかと相談を受け、ほーりーが提案したものでした。

もともと本光寺は縁切りのお寺としても知られています。以前に板橋区立郷土資料館で縁切りをテーマにした珍しい企画展が行われていましたが、こちらでも本光寺が紹介されていました。

江戸時代の縁切り事情展

境内に祀られている源頼政公は平安時代の武将であり、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という姿をした鵺(ヌエ)を退治したことから、悪縁断ちのご利益で信仰されています。

そしてこの頼政公は鵺を弓矢で射貫いたことから、切りたい縁をダーツで決めたら面白いのではと、縁切りダーツを発案したわけです。

ほーりーがいろんなお坊さん研修会で話している、黄金文脈的な要素を持った企画というわけですね。

黄金文脈

まあ、最初は本当に弓矢を使ってはどうかなんて話もあったのですが、それはさすがに危ないかなとダーツになりました。ダーツだって矢の一種ですし、こちらの方が手軽で良いだろうということで。

縁切りダーツが目指すもの

縁結び神社研究会を運営し、日本各地の縁切り寺社も研究しているほーりーですが、そこで考えたことが4つあります。

縁切り寺社は圧倒的に少ない

まず、第一に考えたことは、縁結びのご利益を掲げる寺社は多いけど、縁切りは圧倒的に少ないことです。境内に何らかの縁結びスポットがある寺社は1000や2000じゃきかないですが、縁切りは100を超えてはいないでしょう。

こちらについて理由を上げれば、縁結びは誰も傷つけないし、文句を言われることもありません。しかし縁切りは多くの人を傷つけます。

縁切りを前面に掲げることに対して、住職とは何度も確認を取りました。それだけ覚悟がいるという話でもありますが、選択する人が少ない道だけにブランディングが上手くはまれば世間に与えるメッセージも大きくなります。

ランダムな縁切りには意味がある

ほーりーは寺社が好きな男女の婚活企画『寺社コン』で、出会いたい相手のイメージを明確にするといいよといつも言っています(そのくらい、みんな漠然としているので)。

好きなタイプを質問した時、優しい人とか気が合う人なんて答えが出ると、「私はこれまで何千人もに同じ質問をしていますが、優しくない人、気が合わない人がタイプなんて聞いたことがないですよ」と、ちょっと意地悪に突っ込んでみたりもします。

しかし縁切りについては逆で、もっと縁を切る対象を抽象化してみるのも良いのではと思っていました。

縁切りを祈願される方は、ターゲットがはっきりしている(しすぎている)傾向があります。

「私が浮気しませんように」と漠然と祈願する方はほとんどいませんが、「○○との不倫をやめられますように」と願う方はたくさんいます。

お酒で失敗した人が断酒を試みることはありますが、日常からほどほどにしようと祈願までする方はあまりいません。

健康祈願や厄除けは、病気やトラブルとのソフトな縁切りとも言えますが、そこまでいくとメッセージ性が少なくなります。

なのである程度はランダムで、矢の刺さった場所から思い当たるものに行きつく、セレンディピティ(意味のある偶然)的な縁切りには効果があると考えています。

縁切りはイメージが暗過ぎる

日本人は撤退が苦手と言われています。これはダメだと思ったものからさっと身を引くことよりも、現状を維持することや成功するまで続けることの方が美徳と考えられています。

しかし縁切りとは、クローズの作業です。終わらせる、くっついていたものを切り離す。こうしたものにはマイナスイメージが強く付きまといます。

縁切りのイメージだって極端なものを述べれば、藁人形の胸に五寸釘を打つ、鬼の面を被った丑の刻まいりではないでしょうか。少なくとも健康的で明るくポップな縁切りには、ほーりーは出会ったことがありません。

そして世の中にないのなら、それは作る価値があります。縁切りがドロドロとした重苦しいものばかりであふれていると、世間から「やめる」「諦める」「逃げる」「離れる」という選択肢を奪っていきます。

その結果、誰もがうまくいかないと思いながらも続けてしまう、仕事でも恋愛でも限界を迎えた上での破局に至ってしまうわけです。

ゲーム性があり、やっていて楽しく、そして刺さった言葉によってちょっと考えさせられる。本光寺は日本一明るい縁切りを目指すと共に、惰性的な悪縁を切るトラブルへの未然予防的な意味合いも持たせようと考えています。

縁切りはご祈祷につながりやすい

本光寺は祈願祈祷に力を入れているお寺です。そしてダーツでは楽しい縁切りを目指しますが、そこを一つの入り口にしながら真剣(あるいは深刻)な縁切りとも向き合います。

本光寺の縁切りは、3段構成で考えています。

○縁切りダーツのような、未然予防の縁切り
○トラブルを抱えた方の相談所やご祈祷寺としての縁切り
○緊急度の高い場合には各種行政や支援組織への窓口となる縁切り

二段目、三段目を活かすための入り口として、縁切りダーツはあります。

これはお寺に取ってもお参りする側にとってもメリットのある話です。ご祈祷はお寺に取って一つの収入にもなりますし、ソフトな入り口から階段状に悩み相談を設計することで、深刻なものを抱えた方がお寺に相談する心理ハードルも下げていきます。

ということで、、、

本光寺の看板

尾藤住職は世界三大荒業の一つとされる日蓮宗の荒業を4度も成満されています。こちらは毎年冬に100日間、道場に入ったお坊さん達が毎日朝3時から1日7回の水行を繰り返す過酷な修行で、病魔や疫神などを祓う力を得る意味もあります。

ちなみにほーりーが荒業を終えた尾藤さんに会いに行ったら、顔の輪郭が変わっていて本人だとすぐに気づかなかったほどでした(100日で12キロ痩せたそうです)。

一方で本光寺は「衝撃のお寺動画」で話題になり、木魚をキャラクター化した絵本を作ったり境内を全面禁煙化したりと、硬派な修行から柔軟な発想による新しいお寺作りまで幅広く手掛けられています。

そんな本光寺による、新たな縁切り寺プロジェクト。こちらがどのようになっていくかは大注目ですよ。JR武蔵野線「市川大野駅」から徒歩3分の場所にあるので、もし近くを通るようでしたらぜひ縁切りダーツを楽しんでいってくださいね(現在は境内で誰でも自由に楽しめるようになっています)。

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本光寺の縁切りダーツ

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