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法話を学ぶお坊さん達に話した、枕とオチをひっくり返す手法

法話で大切な7つの要素

先日、東京の護国寺にある真言宗豊山派宗務庁舎にて、講演させて頂きました。ほーりーはこのすぐ隣にある日大豊山高校が母校なので、豊山派はとってもホーム感があります。

そして今回、お呼び下さったのはその豊山派のお坊さんを中心に作られている法話研鑽会です。このため講演タイトルも『法話で大切な7つの要素』と名付け、ほーりーが聞きたい法話をテーマにお話させて頂きましたよ。

ほーりーがお坊さんの法話を聞いて、感じていた疑問

法話の疑問

日本各地のお寺をお参りしているほーりーですが、法話を聞く機会もたくさんあります。そして全部が全部ではないのですが、常々感じている疑問はお坊さんの生き方と法話がリンクしていない(ように見える)ことでした。

これをもう少し深堀りすると、私が聞きたいことの一歩手前で、いつも法話が終わってしまうモヤモヤがあります。そのモヤモヤの正体は、仏教が「オチ(という言葉が変なら、締め)」に使われていることです。

本来は

(1)こんな教えがある
(2)私(お坊さん)はそれを、このように日常に取り入れている
(3)その結果、こんな風に生きることができている

という、(2)(3)の部分が聞きたいのですが、だいたいは(1)で終わってしまいます。それはちょっと良い話風に仕立ててあるけど、具体例がないので教科書を丸写しさせられている気分になるんですよね。

ありがたいだけの法話は、家に帰ると何も残らない

もちろん、仏教ではこのように説かれています。ありがたいです。という形の法話には、多くの人が集まります。

ただほーりーの好みが特殊なのかもしれませんが、目の前のお坊さんがこれまで何を成してきたか、どんな苦難を乗り越えてきたかが示されずに教えだけ話されても、この生き方を真似したいと思ったり(もしくは真似できないと打ちのめされたり)、自分も仏教を生活に取り入れてみようとは思えません。

これは多分、服を買う時に店員さんがズボラな格好をしていたり、スポーツジムのトレーナーのお腹がたるんでいたら、説得力が出ないのと同じことでしょう。

ほーりーも100軒の宿坊に泊まり、本を出版してから宿坊研究家と認識されました。500人を結婚に導いたり、自分自身も寺社コンで結ばれたので、婚活の専門家として見て頂けます。

お坊さんの場合は語る言葉が「より良く生きるための教え」なので、その分ハードルは上がります。なんて壮絶な人生なんだと相手が圧倒されて初めて、法話はスタートラインです。

法話の最初と最後を入れ替えると起きること

そしてこのような想いから私が提案したことは、法話の最初と最後を入れ替えてみませんか? という話でした。

法話の順番を変える

例えば日常でお気に入りの茶碗が割れました。しかし世の中は諸行無常で、形あるものも全て変わっていくのだという話をするとします。

茶碗が割れたなんていう日常の一コマでも諸行無常に落とし込めば、場が納得する程度には法話として成立するでしょう。

しかしもしもこの順番をひっくり返したら(上の図だと、2番目の流れ)。オチのあまりのしょぼさに、みんなぽかーんとするはずです。これはちょっとべたべたすぎる例ですが、日常のニュースやどなたかが亡くなった話などを枕にした法話は、あちこちで見聞きします。

特に身近な方が亡くなった話は共感を得やすいし、批判はしにくいし。もちろんこれをなくすべきとは全く思わないのですが、経験としては受け身なものなので。ほーりー的にはもっとお坊さんの能動的なアクションから生まれた法話も、聞きたいんですよね。

護国寺・法話研鑽会での講演

これから必要になってくるのは仏教を土台にどのように生きたらよいか、それを具体的に示して頂ける身近なモデルです。僧侶でないほーりーは法話を話すことはありませんが、ここで例として挙げたのは

(1)世の中は諸行無常
(2)寺社コンを作ったら、最初は罰当たりと叩かれた
(3)10年経ったら、お坊さんの研修会にも呼ばれるようになった

という話でした。ここまで落とし込めば、反対意見に振り回され過ぎない大切さや、批判や称賛がいかに空虚なものかという具体例にも使えます。

今回はこうした話の順番をひっくり返すと、嫌でも自分の素で勝負しないといけなくなるので、法話への覚悟が増しますよという話をさせて頂きました。

ということで、、、

多分、この話には賛同いただける方も、否定的に見る方もいると思います。

宗派やお寺(師匠?)の方針などでも変わるようですが、そもそも法話では僧侶が個性を出してはいけないと教えられることも多いようです。

そして当然ながら、個性を出す法話が求められる場と、ひんしゅくを買う場があります。なので今回の講演はこの続きとして、自分の意見を自由に述べられる場作りも述べさせて頂いています。

人間ドラマを語る法話は、そもそもそのドラマに面白みがなければ見向きもされないという問題があります。ですが語るべき原体験もないのに人前で話す場が設けられることは、お坊さん以外の社会ではほとんどないことです。

人前で話をするつもりなら、伝えるメッセージを経典やお釈迦様に丸投げしないでほしい。仏教の素晴らしさを目の前のお坊さんが担保してくれるかどうかが、聞きたい法話の境になります。

まあ、それはほーりーのような講師を引き受ける人間にも当てはまることなので、これだけ言っちゃうと胸の奥がプレッシャーでキュンキュンしちゃうわけですけどね。

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