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お坊さんが投資に手を出すことで得られる3つのメリット

大黒様

コロナウィルスの流行や、それを原因の一端とした原油価格急落などで、世界中で株価が大暴落しています。この衝撃はリーマンショック以来だなんて言われますが、果たしてどこまで行くか、どこで止まるかほーりーには分かりません。

数年後に振り返れば、コロナショックとかコロニー落としとか、名付けられているかもしれない経済の転換点となってきました。(コロニーは、落ちないと思うけど)。そんなわけで現在、投資家界隈では更なる恐慌が訪れるという絶望論や、今こそ買い時とメラメラ燃えている方まで多様です。

株を買ってるお坊さんも珍しい存在ではありませんし、私の知り合い僧侶も「ニュースを見ると心臓がピリピリする」とか、「アドレナリンが燃えたぎる」「タスケテー」とか言ってます(特定されるとあれなので、ちょっと表現変えてます)。

ただ、日本は他国と比べても預金比率が高い国ですし、投資は行う人とまったく行おうとしない人に分かれます。日本銀行調査統計局の資料(pdf)を引用させて頂くと、こんな感じです。

日米欧の資産構成

上記は日米欧で比べた家計の金融資産構成比較ですが、日本の現金・預金比率は53.3%です。一方でアメリカは12.9%、ユーロエリアは34.0%となっています。

そんなわけで投資なんて絶対無理とか、あんな汚いものに手を出すやつの気が知れないというお坊さんに向けて、今回は書いてみます(ちなみにガンガンやってまーすというお坊さんは、むしろもうちょい抑えろよとか思うので、読まなくていいです)。

お坊さんが投資に手を出すことで得られる3つのメリット

ほーりーが、お坊さんこそ投資した方がよいと考える理由は3つあります。

仏教と真逆の世界にふれられる

お釈迦様は多分(というか、間違いなく)投資には否定派だと思います。

だって出家者には徹底的に経済活動から距離を置くように、説かれていた方ですしね。投資について直接言及した言葉があるかは不勉強なので、知っているお坊さんがいたら教えてください。

それはともかく、お釈迦様が投資否定派だとしても、そうでなかったとしても、投資によって得られる感情の起伏は、仏教について考える上でとても役に立ちます。お釈迦様の話に戻せば、王子さまだった時代がなければ、出家なんてしなかったでしょう。それと似ています。

そして「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言います。ただこの言葉を述べたのは、初代ドイツ帝国宰相のオットー・フォン・ビスマルクです。

そんな超優秀な人なら歴史(他人の経験)から学ぶことができますが、ほーりーとか大半の凡人はあえて失敗に飛び込むことが、学びを加速させます。特に今の時代は二次情報が氾濫していて、一次情報がないがしろにされがちですしね。

重要なのは失敗しないことではなく、失敗による損失をできるだけコントロールすることです。

ほーりーが考える、人生でしてはいけない3つの失敗

むき出しの恐怖や欲望と向き合える

以前、お坊さんが現代社会でお金に執着しやすくなるプロセスを解説しました。

お坊さんは欲深くはないけど、恐怖でお金に執着する

ここで書いたことを3行でまとめると、以下の通りです。

○先の見えない現代社会は、欲望よりも恐怖に憑りつかれやすい
○離檀料などのトラブルは、お金がほしいという欲よりお金が無くなる恐怖で生まれた暴走
○お坊さんはもっと稼ぐことを肯定した方が良い

そしてほーりーのこうした考察は、自分自身の投資経験から来ています。投資によって得られる経験とは何か。それは自分の中の恐怖や欲望と、ダイレクトに向き合う時間です。

市場は残酷です。下手なことをすれば、容赦なくぶちのめされます。そして理不尽なくらいにラッキーなだけで、お金が転がり込むこともあります。

人間の心は得することより損失にこそ、敏感に反応する性質があります。なので投資自体を近づけず、得もしないけど損もしない生き方は、心を穏やかに保つ上ではとても合理的です。

しかしほーりーはよく、お坊さん研修会で「僧侶は人生の難易度を意識的に上げるべき」という話をしています。

法話の疑問

投資という嵐に身を投じてなお、心穏やかに生きていられるか。それができるとしたら、仏教はどのように活かしていけるのか。それを実体験から模索することは、他人の人生をリードする先導者としても役に立つでしょう。

ちなみに「吾唯足るを知る」という仏教的な精神は、投資で上手く立ち回るのに必須の力とも感じています。

人類に対して優しい気持ちになれる

投資は空売りしたり、テクニカルな手法を用いなければ、基本的には人間が幸せになると儲かる仕組みです。経済が発展して豊かになると、企業の株価は上がります。逆に現在のように病気が流行って人々が苦しむと、大損害を被るわけです。

なので株なり投資信託なりを買うことは、人類がこれからも幸せに生きられる未来に賭けることです。特に一度買ったらしばらく寝かせて値上がりを待つ長期トレードは、毎日世界平和を祈ることと同じ作用があると個人的には考えています。市場が混乱した時期は、人類に希望が持てなくなった人(と、不相応なリスクを取りすぎた人)から脱落します。

投資から距離を置く方は、トレーダーは他人を蹴落としてでも自分だけは儲けようとする、魑魅魍魎に見えるかもしれません。確かにパソコン画面とにらめっこしながら売り買いを繰り返すデイトレーダーはそんな要素もある気がします(もちろんやっている人には、世界発展に寄与しているという別の論理があるでしょう)が、長期トレーダーはこんなときこそ、全身全霊で世界が平和になることを祈っているのです。

ということで、、、

先日、お坊さん研修会で講師をしたとき、お寺の福利厚生について相談を受けました。その時に話したテーマは生命保険や退職金制度、iDeCoやつみたてNISAなど多岐に渡りました。

経済論は各分野の専門家があちこちで書いているので、ここでは強くふれませんが、ほーりーは資産を預金だけで持つことも、これからは大きなリスクになると考えています。

その根拠のひとつが人口減少です。日本の経済力がこれから大きく落ちていくのはほぼ確実でしょうし、その時に円安に移れば物価がぐんぐん上昇する未来も(可能性として)あり得ます。

まあ、投資は何が正しいかは分かりませんし、自分で責任を取れない人はやってはいけません。ただゼロリスク志向からの脱却や、失敗・損失などへの抵抗力を付ける訓練にもなります。食わず嫌いな方は一度食べてみて、やっぱり性に合わないと思えばやめればいいわけで、これらはファイナンスだけでなく、お坊さんとしての本業面にも大きく役に立つでしょう。

特に親(住職)の言いなりで、自分の意思で動くことができない副住職さんなどには、おすすめしたいところです。

住職(親)の引退まで動けないとぼやく副住職に伝えたこと

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